トランジスタの動作と特徴について

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トランジスタの動作

① トランジスタの電流変化

トランジスタがONしてからコレクタ電流が安定するまでの時間は下記のような要因により決まります。
小信号トランジスタではμsオーダー以下で立ち上がることも多い です。

  • ベース充電時間
  • コレクタ容量
  • 外部RC定数
  • 負荷条件

立ち上がり直後は下記のような過渡状態にあります。この間は線形動作ではなく、過渡応答領域です。

  • ベース電荷が蓄積中
  • コレクタ電流が指数関数的に増加
  • VCEが低下途中

安定させるために必要なのは下記のような設計になります。

  • 十分なベース電流
  • 適切なRC設計
  • スイッチング時間の確認

スイッチング用途では以下をデータシート等で確認しましょう。

  • Turn-on delay time (td(on))
  • Rise time (tr)
  • Storage time (ts)
  • Fall time (tf)

➁トランジスタのベース電流量

トランジスタON時に流れるベース電流はR1に流れるベース電流と同じであると考えることが出来る。
トランジスタの内部はダイオードとして扱うのでトランジスタの閾値電圧VBEを超えると内部のダイオードに順方向電流が流れ、順方向ダイオードとして振る舞い、回路構成によってはR3やC1にベース電流が分流する場合がありますが、
単純なベース抵抗駆動構成ではベース電流は概ねR1で決定されます。

  • RC遅延回路の場合は過渡電流が流れる
  • プルダウン抵抗がある場合は分流する
  • ベース蓄積電荷に影響する


R3、C1に掛かる電圧はトランジスタと並列に接続されているのでVBEと同じ値となり、
電源電圧にVBEを引いた値が抵抗R1にかかっているのでそこからベース電流が求められる。

③ トランジスタに発生する熱量

トランジスタの消費電力は:[P = VCE × Ic]です。ここで重要なのは動作領域になります。


● アクティブ領域

IC増加 → 負荷線に従いVCEは低下する場合が多い(コレクタ抵抗負荷の場合)

● 飽和領域

VCE ≈ VCE(sat) ≈ 0.1~0.3V
消費電力は小さい

● 半導通状態(危険)

IC大、VCE大→ 最大発熱領域

👉 これが最も危険です。

④ ベース電流はトランジスタが飽和するまで流す

エミッタ接地のスイッチ用途では、十分なベース電流を流して[Ib≥ Ic/強制β]とします。

通常:強制β= 5~20 程度で設計

例:IC = 100mA、強制β= 10 → IB = 10mA

なぜ中途半端が危険?

半導通状態では下記により発熱量が増大します。

  • VCEが数V残る
  • ICも大きい
  • P = VCE × IC が最大

ただし注意

飽和させるのが正しいのは:✔ スイッチ用途のみ

アナログ増幅用途では:❌ 飽和させてはいけない

用途によって設計方針が異なります。

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