目次
用途
回路動作
非常に良い流れです。
ここであなたのケースをわかりやすく整理すると、これはいわゆる
👉 「レベルシフタ兼ラインドライバ(有線AND)+入力バッファ」 回路
です。
RTC(リアルタイムクロック)などの I²C風の双方向信号(SCK/SIO) に使われる典型的なオープンコレクタ構成です。
🔍 全体のイメージ(構成)
┌──────────┐ ┌──────────┐
│ ロジックIC │───Rin──▶│ デジタルトランジスタ │───┐
│(3.3V系) │ │(NPN+BRT)│ │
└──────────┘ └────┬──────┘ │
│ │
RPU=10kΩ │ SCK/SIO線
│ │
3.0V(=RTC電源) │
│ │
└───────────▶ RTC(3.0V系)
- ロジックIC(3.3V系) → トランジスタ入力(Vi)
- デジトラ出力(コレクタ) → SCK/SIOライン → RTC(3.0V系)
- ラインはプルアップ抵抗RPUで上がっており、どちらもLOWにできる(有線AND構成)
⚙️ 回路の役割をざっくり3層で整理
| 層 | 回路要素 | 主な機能 |
|---|---|---|
| ① 入力層 | ロジックIC + 入力抵抗群 + デジトラ内部R1/R2 | レベル変換と入力電流制御 |
| ② スイッチ層 | デジトラ(NPN) | ラインをLOWに引き下げる(シンク) |
| ③ 出力層 | プルアップ抵抗RPU + SCK/SIOバス | ライン保持+論理合成(有線AND)+レベル出力 |
🧭 各動作フェーズの流れ(時系列で説明)
フェーズ1:ロジックIC出力が “LOW” のとき
- ロジック出力が 0 V → 入力抵抗を通ってデジトラのベースに電流が流れない。
- ベース=0V、エミッタ=GND ⇒ ベースエミッタ間電圧 VBE≒0 → トランジスタOFF。
- コレクタ(出力側)は開放状態 → RPUにより ラインがVPU(3.0V)まで上昇。
- 結果:
- SCK/SIOラインは HIGH(3.0V)
- RTCもこのHIGHを検出
- ロジックICから見れば「LOW出力」だが、ラインはHIGHレベル ⇒ レベルシフト完了
✅ ポイント
3.3Vロジック → 3.0Vラインへのレベル変換が自然に実現している。
フェーズ2:ロジックIC出力が “HIGH” のとき

フェーズ3:RTC側がSIOをLOWにするとき(双方向時)
- トランジスタ側はOFF(ベース電流=0)。
- RTCが内部トランジスタでSIOをGNDへ引き下げる。
- ライン電圧はRTC側でLOW(0.1V程度)に固定。
- このLOWが同じラインでロジックICへフィードバックされ、
ロジック入力バッファ(SIO読戻し端子)がLOWを検出。
✅ ポイント
- 双方向バスでも電流が衝突しない。
両者とも「LOWに引く」ことしかできず、HIGHは抵抗経由。
→ 有線AND(wired-AND)動作。
フェーズ4:双方がHIGH(または開放)なら
- どちらもOFFなので、ラインはRPUでHIGH。
- これが**“1”として解釈される**。
- だから「AND」:
- A=1, B=1 → ライン=1
- A=1, B=0 or A=0, B=1 → ライン=0
- A=0, B=0 → ライン=0
📊 まとめ(信号フローで整理)
| 状況 | ロジックIC出力 | デジトラ状態 | SCK/SIOライン電圧 | RTC視点 | ロジック入力(読戻し) |
|---|---|---|---|---|---|
| HIGH出力 | 3.3 V | ON(飽和) | 約0.1 V | LOW検出 | LOW(0検出) |
| LOW出力 | 0 V | OFF | 3.0 V | HIGH検出 | HIGH(1検出) |
| 双方向時(RTC出力LOW) | OFF | OFF | 約0.1 V | LOW送信 | LOW検出(読戻し) |
| 双方向時(RTC出力HIGH) | OFF | OFF | 3.0 V | HIGH送信 | HIGH検出(読戻し) |
🔧 設計の狙いと効果
| 項目 | 目的 | 設計上のポイント |
|---|---|---|
| レベル変換 | 3.3V系 ⇔ 3.0V系の接続 | ベース抵抗R群で安全分圧&電流制限 |
| ラインドライバ | SCK/SIOを確実にLOWへ | 飽和設計(β_forced 10〜30) |
| 有線AND | 双方向の論理衝突防止 | プルアップで論理OR/AND成立 |
| 入力バッファ | RTC信号をロジックに戻す | コレクタ電位読取り |
| サージ保護 | コネクタ経由の±入力 | 分散抵抗+B-E逆耐圧で吸収 |
💡 直感的な比喩
- デジトラ=“水道のバルブ”
→ ベース信号で「水(電流)」を通すか止めるか。 - RPU=“ばね”
→ バルブが閉まっているときに自然に押し戻してラインをHIGHに戻す。 - 有線AND=“共有パイプ”
→ 誰か一人でも水を抜けば全体がLOW(水が抜ける)。
→ 誰も引かなければバネで押し戻されてHIGH。
✅ 最後に:この構成が採用される理由
- I²CやRTC通信などの双方向・複数デバイス接続が可能
- 電源が異なるロジック(3.3V↔3.0Vなど)を簡単に接続できる
- 部品が少なく、サージにも強い
- 低消費電力・高信頼・シンプルな構成
前提(今回の数値)
- RTC側電源(=プルアップ電圧)VPU=3.0 V
- プルアップ抵抗 RPU=10 kΩ(SCK と SIO どちらも同値とする)
- バス容量 CBUS=100 pF(配線+RTC+端子容量の合算)
- ロジック出力電圧 VOH≈3.3 V(3.3 V系)、入力しきい:VIH,min=2.0 V / VIL,max=0.8 V
- デジトラ内部 R1=1 kΩ, R2=1 kΩ、VBE ≈ 0.70 V、VCE(sat)@mA級 ≈ 0.05…0.10 V
- 前段の直列保護抵抗:1 kΩ(2直×2並列=等価1 kΩ)+ 2.2 kΩ
- 設計の強制β β_forced=20(スイッチ用途の推奨レンジ10〜30)





追加の設計“すぐ使える式”⛏️
